『人生を好転させるためには積極的に行動することが大切だ』
いやいや、そんなの誰だって分かるよ。それができないから悩んでるんでしょ。
- 行動力がない
- 自信がない
- 失敗が恐い
…
学生時代から隅っこ族で、成績も中の下、帰宅部だった(高校卒業後に2浪したうえに受験失敗)僕にとって『行動力』という言葉は出来るだけ目を背けたいものでした。
最終的に行動することが大切なのは誰だって分かるはずです。
この記事では、今までの自分から抜出す行動力の脳科学をシェアします。
2分30秒くらいで読めるので、「頭では分かっていても行動が付いてこない!」というパターンに陥っている人はオススメの脳科学です。
人は良い方にも、悪い方にも変わりたくない
聞いたことがある人はいるかもしれませんが、人間には『ホメオスタシス』という現状維持システムが備わっています。
専門的な説明を読むと小難しいですが、簡単にいうと「いつもの場所に戻る」ということです。
例えば、体温は36℃付近から1℃でも下がると身体がプルプル震えだします。
これはシバリングといって、「これ以上体温を下げるな!36℃に戻せ!」と身体が熱を発生させるために起こる生理現象。
逆に36℃より1℃でも上がると「熱を下げろ!」と汗をバンバンかくようになります。
そしていつかはいつも通りの場所である36℃付近に戻るという身体の仕組みです。
体温などは物理的な現象レベルのホメオスタシスですが、ホメオスタシスは『意識レベル』でも起こるのです。
迷った脳は必ず『いつも通り』を選ぶ
例えば、レストランでパスタを頼もうとするとき、10種類くらいあったら何を選びますか?
ほとんどの人は(僕もそうですが)自分の知っている味で、食べ慣れているものです。
迷った時の脳の無意識の判断は下記の通り。
選択肢 | イヤな思いをする | 良い思いをする | 結果 |
いつもと同じものを選択する | 予想できる | 予想できる | 安心、安全 |
いつもと違う選択をする | 分からない | 分からない | 不安、恐怖 |
つまり、いつもと違う選択肢を選ぶと、自分が体験したことがないことが起こるかもしれない。
でも、いつもと同じもの選択すれば、自分の知っていることしか起こらない。
なので、安心できるのは「いつもと同じものを選択する」という選択肢です。
これの恐ろしいところは、良い変化も怖がるという点にあります。
例えば、ブラック企業に勤めている人で長時間残業、パワハラ、セクハラ、理不尽な待遇を受けている人がいるとします。
客観的に見れば「それ確実に会社変えた方が良いよ!身体壊しちゃうよ!」と思うようなもので、本人も分かっているのですが、脳の無意識はその状態が心地いいのです。
辛いけど、その状態は自分が慣れているので予想外のことが起こることはありません。
心理学の分野では自分の慣れている環境を『コンフォート・ゾーン』と言います。
今の自分にとって心地よいということなので、もしあなたが年収450万円だとすると、年収1000万円の領域は自分にとって心地よい状態でない(そわそわする、何か自分でないような気がする)状態かもしれません。
意識上では「イヤだな…」と思っている状態も、慣れてしまえば無意識上にとっては「心地いい場所」になってしまうのです。
ちなみに、コンフォートゾーンの外を『ラーニング・ゾーン』とか『チャレンジ・ゾーン』といい、その外を『パニック・ゾーン』といいます。
- 『ラーニング・ゾーン』
=不安と期待、ワクワクとソワソワが共存するゾーン。新境地。 - 『パニック・ゾーン』
=自分の能力を大きく飛び越えたゾーン。対応できずに破滅的になるゾーン。
パニック・ゾーンはイメージで例えると、メディア戦略で実力以上に有名になってしまったアーティストや宝くじが当たった一般人が人生のコントロールを失ってしまっているような状態です。
ここら辺は「そんなのがあるんだ」くらいの感じで知っておけばOKです。
大事なのはコンフォートゾーンからラーニングゾーンに移動する時のメンタルの作り方です。
学生時代は強制的にコンフォートゾーンの外に出されていた
誰しもが経験する「進学」「就職」という経験はまさにコンフォートゾーンからラーニングゾーンへの移動です。
小学生から中学生になった時を思い出してください。
「違う小学校の人と仲良くなれるかな…」
「部活の先輩はどんな人だろう…」
「担任の先生は恐くないかな…」
と色んな不安が頭をよぎりますが、時期がくれば強制的にラーニングゾーンに追い出されます。
でも、3ヶ月もすれば慣れてしまって、そこがコンフォートゾーンになります。いつの間にか先生にタメ口を使っていたりするでしょう。
そして高校に進学する時にまた不安になります。
高校から大学、学生から社会人になるときも同じです。
強制的にラーニング・ゾーンに追い出されます。
しかし社会人になると、教育システムのように強制的にラーニングゾーンに追い出されることはほとんどありません。自発的に行動しなければ成長はなくなってしまいます。
つまり、自分でコンフォートゾーンを抜出せるかどうかが人生を動かせるかどうかのキーポイントになってきます。
コンフォートゾーンから抜出すために必要な要素
では本題の、どうやってコンフォートゾーンから抜出すのか?ということですが、要素は3つ。
①セキュアベース(安全基地)
②ドーパミン(好奇心)
③アウェアネス(気づき)
①セキュアベース(安全基地)について
子供って考え無しにむちゃくちゃチャレンジしますよね。
しかし、子供のチャレンジ精神の裏にはある存在にあるのはズバリ『親』という存在です。
つまり、イメージで例えると、着地できる地面がある感じです。
どんなに失敗しても、親が守ってくれるという安心感があるので子供はチャレンジすることができるのです。
しかし、成人になって自立すると、守ってくれる人の存在は極めて希薄になります。
「失敗すると自分の責任」という重荷が背中に乗っかってくるので行動力が子供時代より落ちてしまうのです。
セキュアベースを作れ!
行動力をあげるためにやるべきことの一つはセキュアベースを作ること。
つまり、「落ちていい地面」を自分で意識的に作ることです。
例えば、お金で例えてみると収入は最低限いくらあれば生きて行けるのか?という金額をハッキリさせることが『お金のセキュアベース』となります。
僕はビジネスを始めるまで「これだけの金額が欲しい!」という目標しか持っていませんでした。
イメージで例えると、上しか見てない状態。
なので、「お金を払いたくない…」と自己投資のための本やセミナーにお金をかけるのを嫌がっていました。
その最たる原因は自分の最低限を知らなかったからです。
「1ヶ月間に○○円は自己投資に使っても問題ない!」という基準がハッキリしてなかったので「とにかくお金が減るのはイヤだ!」と不安になり、行動ができませんでした。
お金だけでなく、チャレンジする時も同じです。
ダメだった時に自分が戻る場所はどこなのか?を明確にすることで安心感をもってチャレンジすることができます。
失敗しても元に戻るだけ
チャレンジに失敗すると何か減ってしまう気分になる方もいると思います。
でも、よーく考えてみると、実は何も減りません。
好きな人にふられても、いつもの日常に戻るだけ。
会社のプレゼンに失敗しても、いつもの日常に戻るだけ。
アルバイトの面接に落ちても、いつもの日常に戻るだけ。
むしろ経験値という意味では増えています。
このマインドセットはスゴく大切です。
どんなに失敗しても、今の自分の能力や知識は減りません。
ワクワクしていればリスクが見えなくなる
よく「ワクワクすることをやりなさい」という自己啓発本がありますが、それは正しくて、ワクワクする状態=ドーパミンが出ている状態です。
ワクワクしている時には、不安や心配ごとがなくなります。
それは物理的になくなっているのではなくて、自分が「どうでもいい!」と思っているだけです。
例えば、僕は世界旅行をするのが好きで、色んな国を旅しています。
よっしゃ!行くか!という感じで旅の用意をしていると友達や親から
「テロが危ないのに、本当に大丈夫なの!?」
「最近飛行機が墜落したニュースがあってたわよ…」
「言葉喋れるの?誘拐されたりしない?」
といわれます。
確かに可能性は0%ではありませんが、日本にいても事故に巻き込まれる時は巻き込まれますよね。
つまり、元々この世の中どこを探しても100%安全な場所なんてありません。心臓発作だって有り得るし、生きている限り常に死とは隣り合わせです。
例えば海外の人からすると
「日本は北朝鮮に狙われているから危ない!」
「日本は放射能汚染が危ない!」
「日本は物価が高いから行きにくい!」
という風に、日本人が海外を危険と思うように、日本を危険と思う外国人もいます。
つまり360度どこからみても100%プラスな面しかないことはありません。
それは恋愛も、ビジネスも同じです。
全てのものはプラスとマイナスが同居しています。
つまり、ワクワクする時はプラスとマイナスを両方とも受け入れている状態です。
「ケンカすることもあるだろうけど、この人と結婚したい!」
「危険で、汗だくで泥だらけになるかもしれないけど、世界一周がしたい!」
「何年かかるか分からないけど、自分でビジネスをしたい!」
という風に、自分がワクワクすることは、他の人にとっては不安や心配であっても、「自分にとってはそんなことどうでもいい!」と言えてしまうのです。
意図的にドーパミンを出す方法
「いや、ドーパミンを出せって言われても…」って思うでしょう。
脳は「オラっ!ドーパミン出せ!」といって出るものではありません。危ない薬を使えば出るかもしれませんが、そんなのは論外です。
じゃあどうやって出すのか?
シンプルで強力な方法は紙とペンがあればできます。
紙の右半分に『行動した未来の自分像』と左半分に『行動しなかった未来の自分像』を書きます。
1年後も、5年後も、10年後も、『未来の自分』とは結局は今日1日の積み重ねでしかありません。
なので、「今日の1日が1年続けばどうなるか?」「行動したら1年後はどうなっているか?」と想像する。
行動力が溢れている人と、そうでない人の違いは何か?と聞かれれば一番はこのイメージ力(想像する力)だと言っても過言ではありません。
「来週は好きな人とデートだ!」と思ったらワクワクして1日が楽しくなりますよね。普段は買わないオシャレな服も買っちゃうかもしれません。
それと同じで、ワクワクするような「理想の自分像」を描くことで、意図的にドーパミンは作り出すことができます。
自分の無意識の考えに気づく
ここまでかなり掘り下げてご紹介してきました。
一旦まとめると
- 人は良い方にも悪い方にも変化を恐れる
- 脳は迷ったら「いつも通り」を選ぶ
- コンフォートゾーンから出るには安全基地(地面)を作る
- ワクワクは不安や恐怖を受けれることができる
- 「行動した将来の自分はどうなっているか?」という想像でドーパミンを出す
ここまで読んでくれた方は、実は大きな変化が起こっています。
それは脳の仕組みに気付いたということです!
分かりにくいですよね。詳しく説明します。
知っている=コントロールできる
例えばこの記事を読む前は行動するときに「不安だ…。また今度にしよう…。」と思っていたかもしれません。
でも、この記事を読んでくれた方は自分の脳みそがどういう仕組みで動いているのかを、もうすでに理解しています。
例えば、行動する時に「不安だ…。また今度にしよう…。」と思ったら「あ!コンフォートゾーンに戻ろうとしている!!」と自分自身で気づくことができます。
これ、めっちゃ重要です。
もし、スマートフォンの存在を知らない山奥の少数民族の人にスマホを渡したら「何コレ?狩りの道具?」という風に、ぺたぺたスマホを触るだけで扱うことはできません。
でも、僕ら日本人はスマホを知っているので、スマホを渡されるとアプリを起動できたり、写真を撮ったりしてスマホを扱うことができます。
脳科学、心理学も同じです。
この記事を読んでくれたあなたは「人は行動する時に不安になって、元の状態に戻ろうとする」という仕組みを知りました。
知っているからこそ、気付いて自分でコントロールすることができます。
昨日の自分とは全く違う自分です。
下記はソフトバンクの孫正義さんの言葉です。
僕も自分が弱い人間だとわかっていますから、退路を断つことが必要だった。
-孫正義-
孫さんは自分がどんな時に行動力が落ちるかに気づいて、自らコントロールしているのです。
この記事を読んでくれた人も、自分自身の無意識の思考に気づくことができます。
まとめ
今回特に知って欲しかったのは
- セキュアベース(安全基地)
- ドーパミンの作り方
- 気づきが人生を変える
という3つです。
そして、これらの知識は「手段」であって、「目的」ではありません。
これを伝えた上で『人生を好転させるためには積極的に行動することが大切だ』という言葉贈りたいと思います。
では今日はこれで。
しんのすけ。
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