メンタルを鍛えるためにやった方がいいこととして『瞑想(マインドフルネス)』がよく挙げられます。
瞑想の効果としては
- プラス思考になる
- 日常のストレスが低減される
- 感情のコントロールがしやすくなる
- 集中力が上がる
といったものがあります。
しかしよく勘違いされがちなのは、「瞑想するだけで人生が好転する」という考え方です。
瞑想の効果を図で解説してみる
瞑想はあくまでも”今ここに集中する”というイメージです。
例えば、会社で失敗したり、やなことがあってヘコんだとします。立ち直れないというのは下記のように「過去の出来事に集中している」という感じです。
「イライラしてるのは、嫌なことを思い出しているからだよ。瞑想をして今に集中すれば、今は何も起こっていないことがわかるでしょ」というのは瞑想の一つの効果です。
街中を歩いている人をみるとイライラしながら歩いている人、ウキウキ気分で歩いている人がいると思います。(普通に歩いている人もいますが。)
その人たちはただ歩いているだけですよね。客観的に見ると何も起こっていないのにイライラしていたり、ウキウキしているわけです。
つまり、
その人が”今頭の中で何を思い浮かべているか?”がそのまま今の自分の感情となるということです。
瞑想は今に集中することで、「何も起こっていないよ」ということに気づくことです。
瞑想によってストレスを低減できるのは、過去の嫌だったこと(思い出)や未来の不安(想像・妄想)をリセットさせて「過去や未来は幻想です、今ここに目を向けましょう」という方法です。
これを読んでいる方も10秒くらい時間をとって「今ここ」に集中してみてください。多分ほとんどの人が何も起こってないと思います。「ただ、他人のブログを読んでいる」という感じでしょう。
これだけで過去や未来に取られていたエネルギーが今ここに集中する感じを体感できると思います。
これだけでもストレスってスーッとなくなっていきますよね。だから瞑想って効果的なんです。定期的にやっていると慣れてきます。
大切なのは”瞑想をすること”ではない
瞑想は続けた方がいいですが、ちょっと厳しいことを言うと瞑想をしただけでは現実は変わりません。
初期の段階は瞑想によってたくさんの『気づき』を得ることも多く、感動するかもしれません。
しかしだんだんとそれも薄れてきます。
すると「この前のように瞑想で大きな気づきを得たい…」と瞑想に依存してしまうケースも少なくありません。
もちろん瞑想を否定しているわけではなく、瞑想は8週間以上続けることによって脳の灰白質が活性化して、脳の老化を防ぐことができるという研究結果も出ています。
でもやっぱり大切なのは”瞑想をすること”ではありません。
瞑想をして得た知見を人生に活かして”行動していくこと”です。
瞑想でリセットはできるけど、メンタルは鍛えられなかった
僕も事業主になってからというもの、不安になること、ストレスを感じることが多くありました。
その度に瞑想をして、今ここに集中し「大丈夫、まだ何も起こっていない。大丈夫。」とストレスを低減していました。
もちろん一時的にストレスは低減するのですが、そこから先になかなか進むことができませんでした。
「瞑想でメンタルを鍛える。」とはよく言われますが、ストレスを低減することは実感できましたが、メンタルが鍛えられていた実感はありませんでした。
イメージでいうとプラマイゼロにはなれたけど、プラスにはならなかったという感じです。
本当のメンタルを鍛える方法とは?
じゃあどうやってメンタルを鍛えれば良いのか?メンタルが鍛えられれば新しいことにもチャレンジできるような気がすると思います。
…しかし
結論から言うとメンタルとは鍛えられるものではありません。
「ここまで読んだのに何それ!」とイラッとするかもしれませんが、もちろん続きがあります。
ここでお伝えしたいのは、メンタルが強い弱いとは物理的な話ではなく、精神的なことだということです。
精神とは実体のないもの。ある種空気や風のようなものです。つまり筋肉みたいな実体がなく鍛えることはできないということです。
例えばスーパースターで野球界では知らない人はいないであろう清原和博選手の例をとってみましょう。
画像参照:アサ芸プラスより
清原選手は野球界で数々の輝かしい成績を残しました。
それだけの成績を残したのだから普通の人とは違う経験をしたでしょう。
それは練習量もそうだろうし、厳しいことを言われたこともあるだろうし、怪我をして苦しい思いをしたこともあるでしょう。
そんな一見メンタルモンスターの清原選手も、皆さんご存知の通り、薬物依存になり逮捕され、釈放後も再逮捕されるという事件がありました。
清原選手は「野球をやっていた時は野球が生きがいだったけど、引退してからは無気力になり、薬物の誘惑に負けた」というふうな発言をしています。
つまり、気の強そうな人、厳しい環境で成長した人がメンタルが強いと言うわけではないということです。
前述しているとおり、実はメンタルの強さというのは数値化できるものではないし、『メンタル』と言うものは物質ではないので、筋肉のように鍛えることはできません。
心を強くするのは『解釈の幅』、『視点の数』
じゃあ、凹まない人と凹みやすい人の違いとは何か?というと、『解釈の幅』です。
もっとわかりやすく言うと「出来事に対する視点をいくつ持っているか?」の違いです。
..
例えば会社をリストラされたAさんとBさんという2人がいるとします。
Aさんは「もう俺の人生は終わりだ…」と凹みます。
Bさんは「やった!この機会にやりたかった仕事をしてみよう!」と喜びます。
これは一見Bさんのメンタルが強いように感じますよね。
でも違うんです。
また例えば水をテーブルにこぼした時
Aさんは「シミにならないから、こぼしたのが水でよかった〜!グラス割れなくてよかった〜!」とポジティブに捉えます。
Bさんは「うわ、掃除するのめんどくせ〜…。」とイライラします。
つまり何が言いたいのか?というと、これらは「Aさんの方がメンタルが強い!」とか「Bさんの方がメンタルが強い!」ということではなく、物事を捉える視点によって自分のメンタルにダメージを与えるかどうかが決まるということです。
一見ネガティブに見える状況でも、「まてよ、これにはポジティブな意味が隠されているんじゃないか?」というのを疑ってみてください。
100%ネガティブなことは存在しません。一見ネガティブに見えることでも実はポジティブな種は隠されています。
リストラの例でいうと「うわ〜、リストラされた、ショック…。」
→「でも、前からやってみたかったバーテンダーを一回やれる機会ができた!」
→「これを機に大学でやりたかったことを学び直してみようかな!」
などといくらでも解釈を変えることはできます。
メンタルが弱い人というのは実はいなくて、この解釈の幅が極端に狭くなってしまって
ネガティブな出来事(例えばリストラなど)=人生の終わり
という凝り固まった視点で見てしまった結果、心が折れてしまうケースがあります。
心が折れるのは当たり前
ここで勘違いしないでほしいのは「なんでもポジティブに考えろ!」ということではありません。
人間は心が折れるからこそ人間だし、ヘコむことが許されない人生なんて過酷すぎて嫌になると思います。
誰だって気持ちが落ち込んでしまっている時は視野が狭まってしまう時はあります。
例えば大切な人が死んだら誰でも悲しいです。喪失感を感じるでしょう。
大切なのは気持ちが落ち着いてきた時です。
喪失感に苛まれていた時に、ふと「あの人の死が私に大事なことを気づかせてくれた」という気づきを得る人は多いのではないでしょうか。
心理学ではこの精神状態の回復を『レジリエンス』と言います。
まとめるとメンタルを鍛えるというのは根性論ではなく、解釈の幅を広げるということです。
具体的にどうやって解釈の幅を広げるのか?
解釈の幅を広げるには本を読むのが一番です。
本ではなくても「他の人の意見」でもOKです。
というのも、いくら自分の頭で考えても、出てくる答えというのは”自分が知っていること”しか出てきません。
同じ事で悩み続けている人の特徴としては、自分で解決しようとする共通点があります。
自分でいくら悩んでも出てくるのは自分の知っていることなので、同じことで悩み続けるループにハマってしまうケースが多くあります。
本を読むのが苦手な人は、まずは偉人の名言などを読みやすいものを読んでみると良いと思います。
人生で苦労しながら力強く、負けずに進んでいる人は解釈の天才です。
「ああ!そんな捉え方があったのか!気づかなかった!」という発見が多いはずです。
自分の気に入った解釈を取り入れる
他人の意見を取り入れる上で注意してほしいのは「そんなこと言っても…」と否定しないことです。
なんどもお伝えしている通り、人の人生は結局『解釈』によって成り立っています。
例えばリストラされた時
- Aさん「最悪…。
- 人生終わった…。」
- Bさん「よっしゃ!この機会に自分のやってみたかった仕事をやってみよう!」
という解釈はどちらが正しいとかではなく、どちらでも良いのです。どう思うかは自分の自由です。
どっちでも良いならポジティブに捉えた方が人生は楽しくなるはずです。
なぜ解釈を変えると人生が変わるのか?
いやいや、ちょっと待って。
ここで勘のいい人は「それで何の現実が変わるんだよ!」「解釈を変えたところで現実は変わらないんですけど!」と言いたくなると思います。
確かに、これじゃあ瞑想と同じく何も現実が変わらないように感じますよね。
でも、実際はかなり違います。
瞑想はリセットする方法。プラスマイナスゼロにする方法。
今回ご紹介した解釈の幅を広げると言うのは行動につながる方法です。プラスにする方法です。
例えば、リストラされて「うわ〜、人生終わった」と思っている人と、「よっしゃ!この機会に好きなことをやってみよう!」を思う人では次に起こす行動が違いますよね。
つまり、解釈が変われば行動が変わる、行動が変われば現実が変わるという順序です。
では今日はこれで
しんのすけ。
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