「やりたいことがあるけど、お金に不安がある」
「起業に憧れるけど、お金に不安がある」
僕が会社員から起業して事業主になるにあたって、一番のハードルはお金への不安でした。
成功する(上手くいく)かどうかもわからない道へ行くのは、安定してお金をもらっていた会社員の僕からするとすごくリスクが高いように感じました。
今回は人間心理の話を含め、どうやってお金の不安を乗り越えたのか?という実体験から、『お金の不安を解消する』というテーマで記事を紹介したいと思います。
お金の不安を乗り越えられるかが一つのハードル。
「やりたいことがあるけど、お金に不安がある」というのは多くの人が感じていることではないでしょうか。
だって誰だってお金はいっぱいあった方がいいし、失敗なんてしたくない。リスクなんて取らずにいっぱいお金が入ってくればそんな嬉しいことはありません。
多くの人がそう思って行動できなかったりしますし、僕もそうでした。
じゃあ
- ①「お金の不安はあるけど、とりあえず行動を起こそう!」と行動している人
- ②「お金の不安があるから行動できない」という人
どちらが目標に近づくか?といえば、やっぱり行動している人です。
「だとしても不安で仕方ないんだ!」と言いたくなると思います。
不安があることが悪いことではなく、大切なのはその不安と向き合うことです。
実際に、多くの人が「お金がないから不安」という理由で夢を諦め、行動しないまま脱落していきます。
これを読んでいる方にはそうなって欲しくないので、ぜひ最後まで読んでほしいと思います。
最初からお金がある人なんていない。
まず前提として最初からお金がある人なんてほとんどいません。
パナソニックでビジネスの神様と言われている松下幸之助さんも、今では長者番付にランクインするソフトバンクの孫正義さんも最初からお金があったわけではありません。
松下幸之助さんは2畳の部屋からスタート、孫正義さんは起業したての頃、みかん箱の上に立って社員の前で理念を語っていたそうです。
孫さんの会社に至っては、孫さんの理念を聞いた社員が「こいつは何を馬鹿げたことを言っているんだ」と社員が退職したそうです。
起業し始める前には「もっとお金があれば…」と思ってしまうかもしれませんが、僕自身もお金はなかったし、起業家の仲間に聞いてみてももともとお金に余裕があった人というのは会ったことがありません。
みんな飲食店やガソリンスタンドでアルバイトをしながらとか、会社員をしながらとか、生計を立てつつ起業している人がほぼ100%です。
中には3つのアルバイトを掛け持ちしながら家族を支えつつという人もいました。
かなりリアルな話をすると、僕が会社を辞めてアルバイトをしながら起業した時は東京の1K、18平米(10畳一間)の家です。家賃は48,000円でした。
最初に大切なのはお金よりも『時間』
自分の好きなことをして生活するときに大切なのは実はお金よりも『時間』です。
例えば「英語を習得する」という目標を立てたとき
- ①100万円持っているけど、目標に投資する時間が月に10時間しかない人
- ②お金に余裕はないけど、目標に投資する時間が月に100時間ある人
の2人がいた場合、どちらが「英語を習得する」という目標を叶えやすいでしょうか。
おそらく②の人の方が確率はグンとアップします。
習得した英語を武器にして自分でビジネスを始めれば、自分でお金を生み出せるようになり100万円でも1,000万円でも稼げるようになるかもしれません。
お金はまた稼げばいいですが、時間は取り戻せないんですね。
お金の不安をなくす方程式
お金の不安をなくす最大のコツは「お金のことを考えなくていいようにすること」です。
もっとわかりやすくいうと、自分に必要な最低限の生活費を知ることです。
というのも、お金に不安感をいくら持っても、お金は増えません。
それどころか「お金がないと不安」と言ってお金の為の仕事を増やすと相対的に時間がなくなっていきます。
時間がなくなれば先ほど紹介した通り、自分の目標がどんどん遠ざかっていきます。
その自分に必要な最低限の生活費を知っているとどうなるか?というと、お金の不安に囚われている時間が減り、お金のために働く時間を最小限に抑えることができます。
下記は会社を辞めて実際に僕が自分で紙に書き出した最低限必要な生活費です。
※今思えばもっと抑えられたと思います。
- 家賃
48,000円 - 光熱費
12,000円 - 通信費
7,000円 - 奨学金の返済
15,000円 - 年金
15,000円 - 健康保険
17,000円 - 食費
15,000円 - 雑費
15,000円
合計=13万7,000円
「1日8時間以上は働きたくない。最低でも月に10日以上は休みがほしい。」
と思っていたので時給1,000円の場所で月に150時間、1日7.5時間×20日働いて月に15万円稼いでいました。
そうすれば、仕事がある日は5時間、休日は10時間くらい目標に投資する時間が生まれます。
(5時間×20日)+(10時間×10日)=200時間/月という自由な時間が生まれます。
もちろんやる気がない時もあるので200時間フルに使えたかというとそうではありませんが、もともと建築業で現場監督をやっていた時は週休1日で残業も多かったので、その頃よりは十分な時間が取れました。
これは僕の例なのであくまでも参考程度に考えてください。
伝えたいのは大切なのはお金より『時間』です。
そして自分にとって最低限の生活費がわかれば、「それだけ稼げばいつでも生きていける」という安心感になります。
僕も今現在事業主ですが、万が一どうしようもなくなったら日本に帰ってどこかのチェーン店のアルバイトをして稼げばいいという安心感があります。
お金の不安は無限に湧いてくる
ここまで読んで「それはそうだけど…。」と言いたくなる方もいると思います。
確かに理屈はわかっても実際に行動できるかどうかというと、それはまた別問題だったりします。
だからこそ多くの人が踏み出せないという現実があるわけです。
ここまでは論理的な話でしたが、ここからは心理的な、メンタル的な話をしたいと思います。
まず、「もし〜になったらどうしよう…」というお金の不安というのは考えれば考えるほど出てきます。
つまり、不安とは無限に湧き出てくるものです。これをどこかでやめなければいけません。
例えば「もし病気になって払えないほどのお金が必要になったらどうしよう…」と思ったとします。
日本には『高額療養費制度(こうがくりょうようひせいど)』という制度があります。
高額療養費とは、健康保険法等に基づき、日本において保険医療機関の窓口で支払う医療費を一定額以下にとどめる、公的医療保険制度における給付のひとつ。
どんなに高額な医療費がかかったとしても、1ヶ月間にかかった医療費は約8万円しか自己負担しなくていいという制度です。
※自己負担額は収入や年齢によって異なりますが、一般的に自己負担は約8万円程度です。
「…でも仕事が見つからなくて、お金が稼げなかったらどうしよう…」と思うかもしれません。
ですが、実際には2019年4月の発表では求人件数は前年度よりも+22.9%となっていて、むしろ働き手を探している会社の方が多い状況です。
参照:公益財団法人 全国求人情報協会より
「…でも病気になって働けなくなったら?」
その場合でも国には保障制度があって、有名なところでいえば生活保護などの制度があります。
海外をいろいろ回っていて思うのは、日本は自分の夢を目指す為の土台が整った国だと思います。
国によっては
- 身分によってやりたいことができない
- 働きたくても仕事がない、お金が得られない
- お金を得るために家族おいて国外に出稼ぎに行かなければいけない
- 政治の腐敗で保障制度が整っていない
という国があるのが実際のところです。
比べるわけではないですが、その国の人からすると日本はとても羨ましい環境と感じると思います。
その不安は本物か?ニセモノの不安か?
脳科学では『不安』は「将来に起こる恐怖への予期」という風に言われています。
ここで考えてほしいのが、その不安は本物の不安か?
ということです。
不安には大まかに分けると
- ①人間が本能的に持っている不安
- ②自分が実体験した不安
- ③他人に植え付けられた不安
があります。
①は大きな音や、蛇に睨まれると恐怖を感じるなどは、人間が先天的に恐怖を感じる現象としてあります。
これは置いておいて、大切なのは②と③です。
②は地震や台風、交通事故など、自分が実体験して実際に被害を被り、「また同じ目に遭いたくない!」と感じる時の不安です。
これは生存していくために必要な不安です。
そして不安の多くにあるのが③の他人に植え付けられた不安です。
そして『お金の不安』の正体のほとんどはこの他人に植え付けられた不安です。
- ホームレスになって路頭に迷うかもしれない
- 借金まみれになってヤクザに追われるかもしれない
- 成人でフリーターは社会のゴミだ
などなど、これらは事実でありません。
テレビで植え付けられたり、親から教えられた”他人に植え付けられた不安”です。
あったことがない幽霊に恐怖するのはなぜ?
わかりやすい例を出すと、幽霊がそのいい例です。
「これは怖いもの」と教えられると人間は恐怖を感じるようになります。
幽霊も同じです。
幽霊にあったことがなくても、真夜中にお墓に行ったり、一人で廃墟に行ったりすると恐怖感を感じますよね。
なぜそんなことが起こるのか?というと、子供時代にテレビや本、先生、親などに教えられるからです。
その教えを真に受けると、人の脳は扁桃体(へんとうたい)という恐怖を感じる部分が反応するようになります。
「転職するとロクなことがないぞ!」と、会社を辞めようとする部下に、転職をしたことがない上司が言っていたり
「起業なんてうまくいかない」と起業したことがない人が言ったり。
僕の母は海外に行ったことがないですが、「あんた、海外は危ないから気をつけなさいよ」と言います。苦笑
要するに、僕の母もテレビで危険な情報しか報道しないニュース番組に「海外は危ない」と信じ込まされているということです。
お金に対する不安や恐怖も同じです。幽霊です。
馬鹿馬鹿しいと思うかもしれません。でも実体験したことがないのに怖いって、やっぱりどこかおかしいんです。
- 〇〇歳で結婚していないのはみっともない→幽霊
- 〇〇歳でフリーターやニートはやばい→幽霊
- 内向的な人は社会不適合者→幽霊
- 老後に貯金しておかないと不幸になる→幽霊
- 公務員になれば人生勝ち組→幽霊
- 大金持ちになれば幸せになれる→幽霊
- 収入が低い人は負け組→幽霊
世の中には刷り込みという幽霊がたくさんあります。
お金に人生をコントロールされるな!お金をコントロールしろ!
個人的なお話をすると、僕の家庭も例外なく裕福な家庭ではありませんでした。
子供の頃、親がお金のことで喧嘩している場面をよく見ていたので、子供の頃に「お金がないことは悪いことだ、怖いことだ」と思い込んでしまいました。
その考えが大人になっても残っていて、「好きなことよりも、お金をもらえること」という価値観で生きていました。
もちろんそう生きている人が悪いということではありませんが、人生を変えたいのであれば徐々に価値観をシフトさせていく必要があります。
僕の「お金で両親が喧嘩する、家庭が険悪になる」というのは、もしかしたら実体験ベースの恐怖かもしれません。
でもそれは「子供の頃の僕にとっての恐怖」です。
成人であれば頑張って自分で働いてお金を稼ぐことができます。
みなさんも同じだと思います。
成人であればこの記事で紹介した方法ができます。
- ①最低限の生活費を知る
- ②生活費と収入をコントロールする
- ③時間を作って目標に投資する
あとはどれだけ本気でその目標を叶えたいか?です。
まとめ
これは個々人の価値観にもよりますが
- ①収入も多く、好きなことができている
- ②収入は少ないけど、好きなことができている
- ③収入は多いけど、嫌いなことをやっている
- ④収入も少なく、嫌いなことをやっている
という4つのパラダイムがあるとしたら、僕は最低でも②、欲をいえば①で生きたいと思って頑張っています。
すごくワガママかもしれないし、人によっては「綺麗事をいうな!」と言いたくなるかもしれません。
ですが、お金は『人生の目的』というよりも、お金は『手段』という感じです。
たぶん、お金が大量にあっても、好きなことをやっているんだという実感と確信があります。
そして好きなことをやっていると、必然的にそれが自分にとって社会に貢献できるモノになるという確信があります。
何かの気づきになればと思います。
コメントを残す