「目標を決めることは大切とわかってるんですが、目標を決めるのが苦手です…」という相談を頂くことが多いです。
この気持ち、めっちゃわかるんですよね。
僕自身も26歳まで何も目標を持たず生きていましたし、今でも「人生の目標なんですか?」と聞かれると口籠ってしまいます。
目標なんて生きてたらコロコロ変わるし、「自分が本当にやりたいこと、大事にしている価値観」なんて人生のフェーズによって変わる。
なので、結局「今のところ〜…」という言い方になってしまうし、それでいい。
子供の頃から幼稚園や小学校の先生に「しんのすけくんの夢は何?」と聞かれるのが嫌いでした。
そう聞かれる度に「サッカー選手」とか、「サラリーマン」とか、”子供っぽい答え”を返して先生を納得させてた気がします。
結論からいうと、目標は行動するための手段でしかない。達成する必要なはいけど目標は作った方がいい。です。
訳がわからないと思いますが、その理由を解説します。
目標はあなたの世界を変える
なぜトップアスリートや実業家は「夢を持とう」というのか?
「そりゃ才能があるヤツの戯言だ…」そう感じる人もいると思いますし、僕もそっち派でした。
しかし脳科学を勉強するにつれて、目標が大切な理由を痛感するようになったんですね。
なぜなら、自分の目標(目的)に応じて世界の見え方が変わってくるからです。
現実は”目的にとって重要なもの”で構成される
たとえば、今この文章を読んでいる人が「喉が乾いて死にそう…」という状態だったら、冷蔵庫に飲み物を取りにいくか、コンビニや自販機などに飲み物を買いに行っているはずです。
「喉を潤したい」という目的が最重要であり「ブログを読む」は後回し。
つまり、目的に応じて自分にとっての重要度が変わり、重要度にともなって行動は変わっていきます。
目的によって”目の前のモノの役割”が変わる
そしてもう一つ。
これは『認知心理学』という分野の話です。
下の画像をみてください。
- 箱に入った画鋲
- ろうそく1本
- マッチ
これは1945年にカール・ドゥンガーという心理学者が作った、「ろうそく問題」と呼ばれる実験です。
実験に参加した生徒たちは「机にロウが垂れないように、壁にろうそくを固定してください」という問題を出題されます。
そして画像にある「箱に入った画鋲」、「ろうそく1本」、「マッチ」を使って、問題を解こうとするんですね。
答えを紹介すると、下記のとおりです。
この実験は「画鋲が入った箱を、ろうそくを立てるための道具として見つけることができるか?」というのがポイントで、クリエイティビティを測る実験でした。
今回はクリエイティビティの発揮方法については置いておきましょう。
大切なのは、問題を出される前と、問題を出された後の”自分自身の思考”です。
問題を出される前は下記の道具は、それぞれ独立したモノです。
- 箱に入った画鋲
- ろうそく1本
- マッチ
でも「机にロウが垂れないように、壁にろうそくを固定してください」という問題が出された瞬間、それらの道具の役割を考え始めたと思います。
- 「画鋲が使えそうだな…」
- 「マッチはろうそくに火をつけるモノで間違いないよな…」
- 「ろうそくのロウを垂らさないようにか…」
と思考が回転し始めたと思います。
つまり、問題を出されたことによって『目的』が決まったことになります。
そして、目的が決まってから、目の前の道具の役割が決まっているということです。
目の前の人・モノの役割は自分が決めている
下の画像をみてください。
ただのコップです。
じゃあコップってどういう役割があるのか?というと、一般的には「飲み物を飲むモノ」ですよね。
しかし、コップにポッキーなどのお菓子を入れることもできるし、花を挿して花瓶にすることもできます。
土を掘るための簡易的なスコップとして使うこともできる。
つまり、そもそもコップというモノ自体に「こう使わなければ絶対にダメ!!」といった使い方はなく、自分がコップに使い方を決めているということです。
今あなたが「●●は××に使うモノだ」と思い込んでいるものも、実際には決まった役割はなく、自分がそう思っているモノだということです。
あなたの人生がチャンスで満ち溢れている理由
解説してきたように、自分の目的によって目の前の現実の見え方は変わってきます。
よく実業家が「チャンスなんてどこにでも転がってる」というのは、実業家の目から見たモノの役割と、一般人の目から見たモノの役割が違うということです。
たとえばスマホ。
スマホは僕の3歳の甥っ子にとっては「アンパンマンを見るための道具」です。笑
スマホを指差して「あんぱんまんっ!あんぱんまんっ!」と言います。
しかし、スマホ一つでビジネスの管理をやっているホリエモンさんのような実業家にとってのスマホは、「事業効率化ツール」です。
つまり、同じスマホというモノでも、その人の目的によって使い方が全く異なる。
「スマホ」というものが価値があるものなのか、価値がないものなのかはそもそも決まっていない。
自分の目的(目標)によってコロコロ変わるということです。
有名な『引き寄せの法則』は、この脳のモノごとを認識する機能の話を元に作られています。
目標は別に叶わなくていい
ここからが重要です。
目標の話に戻すと、目標は叶えるためにあるわけではないということです。
つまり、目標は持つだけでOK。叶うか、叶わないかは大切ではありません。
目標は、行動するための『手段』なんですね。
※こちらの記事でも詳しく解説しています↓
なぜ目標は叶わなくていいのか?
僕らはついつい目標や夢に固執してしまいがちですが、人が何かを手に入れ、成長するのは目標を追いかけるうえでの”過程”なんですね。
たとえば、「プロ野球選手になる」という人がいたとします。
結果的にプロ野球選手になれるのは、大勢の野球プレイヤーの中で一握りなのは言うまでもありません。
多くの人が「プロ野球選手になんてなれっこない」と諦めていきますよね。
しかし、これが意外ともったいない。
「叶うか?叶わないか?」で考えると、ほとんどのことは「叶いそうにない」というのが目標や夢です。
目標なんて、叶っていないうちは不可能に思えるもの。
で、行動する前から夢や目標を諦めるということは、夢や目標だけでなく、過程にある出会いや可能性も丸ごと捨てることになるんですよ。
めちゃくちゃもったいない!!
野球の話でいえば、たしかにプロ野球選手になれるのは一握りの人だけかもしれません。
じゃあ、プロ野球選手になれなかった人は、すべてが無駄だったのか?
そうではないですよね。
その過程でいろんな人生の経験をしただろうし、友達もできたはず。もしかしたら、野球に関わる仕事につけたかもしれない。
つまり、目標はあくまでも進む方向を決めるための『手段』なんです。
だから、目標は叶えてもいいし、途中で変わってもいい。
「永遠不変の人生の答え」なんて見つかりっこないんです。
目標は自分の心が震えればいい
目標は「世界の貧しい子供たちを救う」という大きな夢でもいいですが、そんな大そうなものではなくても全然良いんです。
大切なのは、誰かに褒められることではなく、自分が心から「やってみたい!」とか「そうなりたい!」と思うことでOK。
僕自身も「海外旅行しながら生活したい!!」と思ったから、フリーランスになってパソコン1台で、自分でお金を稼げるようになったんです。
その“過程”で、ビジネススキルやライティングスキルが身につき、人に教えられるレベルにまでなり、こうやって経験をシェアしているだけなんですね。
繰り返しになりますが、目標は、行動を始めるための動機であり、手段です。
では今日はこれで。
目標はあるけどモチベーションが続かない人や、結果がなかなかでなくて悩んでいる方はこちらの記事も参考にしてください。
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